古河電池が開発した
非常用マグネシウム空気電池のマグボックス
に注目が集まっています。
このマグボックス、なんと水で発電が出来る
という優れもの。
その仕組みや価格は?
開発のきっかけはどういったことなのでしょうか?
非常用マグネシウム空気電池のマグボックスとは?
非常用マグネシウム空気電池のマグボックスは、
非常時に携帯電話などを充電できる魔法の(?)箱なのです。
普通の水道水を入れるだけで発電が出来るという
紙の容器です。
スマートフォンなら、30回ほど充電できる発電量です。
携帯出来る充電器だと1~2回ほどしか
スマホを充電できないものが多いので、
かなりの発電量だということがわかりますね。
マグボックスは、世界で初の紙を使った大容量の電池です。
発電のために必要なものは、2リットルの水のみ!なのです。
使用方法
1. 箱に空気穴を作る。
まずはマグボックスの両サイドのミシン目を押し込み、空気穴を作ります。
2. 4つの穴に水を500mlずつ入れ、3分ほど待つ。
(カップラーメンみたいです)
赤いランプが点灯すると電気が発生しているという証拠です。
この状態でスマホを繋げると充電が開始されます。
発電の仕組みは、
マグボックスの中に水を入れると、中にあるマグネシウムの板が
空気中の酸素と反応し発電するという仕組みになっています。
マグボックスには、USBの出力端子が付いていて
電気を使用することが出来ます。
また、マグボックスは、水だけではなく
海水や尿などでも発電可能です。
災害時、水はとても貴重です。
川や海の水で、
発電が出来ればとても助かりますね。
尿だとどちらにしても廃棄するものですが、
ただ捨てるだけでなく、
発電に利用できると、一石二鳥な感じがします。
マグボックスの重さは1.6キロほどで、
子供やお年寄りでも持ち運ぶことが出来ます。
古河電池が水だけあれば発電できる電池を開発したわけは?
このマグボックスを開発したのは、古河電池という企業です。
福島県いわき市にあった古河電池の、いわき事業所も
東日本大震災で被災しました。
開発者によると、
「被災した時、携帯電話を持っていたが、
すぐに電池がなくなってしまって、
母や父に『無事だよ』と、メールや電話をしたかったが
出来なかった経験から生まれました」
ということです。
無事を知らせたくても、携帯の充電が切れたことで、
ままならない、というのは、被災者本人も
心配している家族にとっても、とても
被災後、電気などのライフラインは遮断され、
乾電池などの物資の買い占めが起きました。
古河電池の社員は、携帯電話の充電もできない被災者の姿を目にし、
非常時を想定した電池の開発を始めたのです。
「避難所で明かりの無い生活を送っている方に、
これ1つあれば明かりもありますし、
連絡をとる手段として使ってほしい」
という、実際に被災者となった
切実な思いからの開発なのです。
このマグボックスという、新たな開発に市場も大きく反応しています。
古河電池の株価は、マグボックス発表前と比べると
およそ2倍にまで急上昇しているのです。
790円(8月29日) ⇒ 1360円(9月5日)
良いものを作れば、株価が上がることが実証されたともいえます。
発電の仕組み自体は昔からあるようで、
子供のおもちゃにも使用されているようですが、
今回のマグボックスは発電のパワーが
すごく大きいことで注目されています。
容器が紙の箱で出来ている、ということも特徴です。
最近、飲み物の缶なども紙に変わってきている傾向がありますが、
今後、様々な容器に紙がつかわれてくるということも予想されます。
2014年12月中旬から、地方自治体向けに販売されるそうです。
マグボックスは、市町村及び企業の設備向けとなっており、
当面自治体のみに販売となっているそうです。
現在、販売されているMgBOXは、性能面や価格面などで、
個人で使用できるものではないようですが、
いつか個人でも使用できるようなものが出てくると嬉しいですね。
いずれにしても、災害に対する危機意識を高く持ち、
いろいろなケースを想像して、
いざという時のために備えておく、ということが
重要ですね。