2015年のノーベル賞の医学・生理学賞は
北里大学の大村智特別栄誉教授に決まりました。
日本人としてとても誇らしいですし、
本当に立派な方だと思います。
大村智氏が開発に携わったイベルメクチンとは
どういった薬なのか、などまとめました。
大村智氏がノーベル賞受賞!イベルメクチンとは?
大村智氏がノーベル賞を受賞した理由は、
寄生虫による感染症に大きな治療効果を上げている薬剤の開発です。
大村智氏は、土壌で見つけた細菌の作り出す物質が
寄生虫に効果があることを発見し、
その物質を元に薬剤「イベルメクチン」を開発しました。
薬剤は年間2億人に使われ、多くの人命を救う発見が評価されました。
大村智氏は、
「1回失敗してそれでダメだと思ったらダメですよね。
失敗したからよかった。必ず役にたつと思いながら研究を続けることが大事だと思います」
と語っています。
「イベルメクチン」の開発にこぎつけるまでに
並々ならぬ努力をされたことがわかる一言ですね。
また、
「私の仕事は微生物の力を借りているだけ。
私自身が偉いことや難しいことを考えたわけではないので、
私が(賞を)頂いていいのかなという気持ちです」
引用元:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151005-00000164-jij-soci
と謙虚に語っています。
受賞を最初に伝えたのは、16年前に亡くなられた奥様だそうで、
人間的にも本当に素敵な方だと伺えます。
日本人のノーベル賞受賞は、2年連続の23人目で
医学生理学賞は、2012年の山中伸弥京都大学教授以来
3人目の快挙です。
授賞式は、12月10日にストックホルムで開かれます。
イベルメクチンとは?
大村智氏は、1973年に大手製薬会社メルク社と共同研究を開始し、
静岡県内の土壌から分離された微生物が作り出すエバーメクチンを
発見しました。
エバーメクチンは、戦中などの神経系を麻痺させるが、
哺乳類の神経には影響しないことがわかり、その特性を強めた
「イベルメクチン」を家畜の抗寄生虫薬として発売され、
世界中で使用されるようになりました。
さらに熱帯地域に蔓延するオンコセルカ症や
リンパ系フィラリア症(象皮症)にも効果があることがわかりました。
大村智氏は、イベルメクチンの特許権を放棄し、
ロイヤリティ250億円を手にしました。
このお金を病院建設や研究費に投じ、
社会に還元したのです。
また、メルク社の協力の元、世界保健機関(WHO)を通じ、
2012年までに10億人以上にイベルメクチンが無償提供されました。
無償提供ができている理由は、大村智氏がイベルメクチンの商用利用で得られる
特許ロイヤリティの取得を放棄し、無償提供に同意しているためだそうです。
ただ素晴らしい薬剤を開発したというだけでなく、
全世界の失明や象皮症などの難病に苦しむ人々を救い、
自らの利益を放棄し貢献している姿から、
ノーベル平和賞をも受賞してもおかしくないと言われています。
自らの欲に走らず、まさに世のため人のために尽力される
大村智氏は本当にノーベル賞にふさわしい方ですね。
心から尊敬し、お祝い申し上げます。
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